乳がんの原因

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乳がんの原因

乳がんの原因

乳がんの原因は未だに解明されていません。ただし、発症リスクを高める要因は日々の研究で明らかになりつつある段階です。

一般的にがん細胞は、正常な細胞の遺伝子が何らかの原因で傷ついたり、変異したりすることで発生するとされています。遺伝子の突然変異の原因としては、喫煙、加齢のほか、がん発生の部位によってはピロリ菌や日光が原因とされています。その他、がんの発生要因は免疫機能の低下とも関係があるとされています。

乳がんが起こる主な要因は、女性ホルモンであるエストロゲンの過剰、年齢、遺伝子の異常などその人の体質や生まれに関わるものと、肥満や喫煙など生活習慣に関わるものがあるとされています。

乳がん患者増加の原因

日本では近年、乳がん患者が増加傾向にあります。乳がん増加の原因には、ライフスタイルの欧米化が考えられます。高カロリー、高脂肪の食生活により初潮の低年齢化や肥満が増えているほか、晩婚・少子化による初潮から第1子出産までの期間の長期化なども要因とされています。

乳がんのリスク因子

乳がんのリスク因子と言われているものは、以下のとおりです。

  • 乳がんの家族歴がある
  • 初潮が早い時期に始まった
  • 出産の経験がない
  • 最初に出産した年齢が遅い
  • 閉経の年齢が遅い
  • 出産後や閉経後の過度な体重増加
  • 女性ホルモンを含む経口避妊薬の利用
  • 閉経後の長期間のホルモン補助療法
  • 糖尿病
  • 過度なアルコール摂取
  • 喫煙

など

乳がんの遺伝性(遺伝性乳がん)

乳がんの約10%が遺伝性乳がんといわれており、そのうちの50%以上が「HBOC(遺伝性乳がん卵巣がん症候群)」とされています。HBOCは、将来的に卵巣がんを発症するリスクが高いとされ、予防や定期的な検査が欠かせません。

なお、乳がんと診断された場合、一定の条件を満たせば、特定の医療機関においてBRCA遺伝学的検査が保険適用で受けられます。保険適用の要件は以下の通りです。

保険適用の要件

  • すでに乳がんや卵巣がんと診断され治療されている方、あるいはこれから治療を受けられる方
  • 45歳以下で乳がんと診断された方
  • 複数回乳がんと診断された方(同じ側の乳房、または両側の乳房が含まれます)
  • 60歳以下でトリプルネガティブ(※)乳がんと診断された方(※女性ホルモンとがん遺伝子 HER2 に対する薬物療法が効かない乳がん)
  • 卵巣がん、卵管がんや腹膜がんと診断された方
  • 血縁関係にある方に乳がんや卵巣がんの家族歴を持つ方(姉妹や兄弟、子供、両親、祖父母とその姉妹と兄弟、従姉妹、従兄弟まで含まれます)
  • 血縁関係にある方に BRCA1 または BRCA2 遺伝子に変異があると知らされている方
  • 本人や血縁関係にある方が男性乳がんと診断された方
  • HBOC について遺伝カウンセリング、BRCA 遺伝子検査を受けて BRCA1 または 2 の遺伝子に変異が認められた方

引用元:遺伝性乳がん卵巣がん症候群の保険診療収載に伴う遺伝カウンセリング・BRCA 遺伝学的検査とリスク低減乳房切除術・乳房再建術、リスク低減卵管卵巣摘出術について|一般社団法人 日本乳癌学会

※2~8についてはいずれかを満たしていれば適用となります